指揮者 直井大輔 Conductor DAISUKE NAOI
1971年東京生まれ。武蔵野音楽大学音楽学部器楽科でトロンボーンを前田保氏に、バス・トロンボーンを井上順平氏に師事。在学中から指揮者を志し、指揮法を山﨑滋、エンリケ・マッツォーラ各氏に師事。1993年より巨匠ウラディーミル・フェドセーエフ氏と親交を持ち、指揮の手ほどきやアドヴァイスを受けている。
1997年、東京芸術大学音楽学部指揮科入学。指揮法を故佐藤功太郎、小林研一郎、ハンス・マルティン・シュナイト各氏に師事。同年、新国立劇場オープニング公演ワーグナー「ローエングリン」のアシスタントを務め、以後、二期会オペラ等の副指揮者として故佐藤功太郎、故若杉弘、故岩城宏之、他各氏の下で多くのオペラ製作に携わるとともに、ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー氏による東京芸大『世界のマエストロを迎えて』シリーズ第1回公演にて、ハイドン「四季」の合唱指導アシスタントを務めた。全国4つの国公立芸術大学が参加する合同オーケストラ等の公演に3年連続出演、台東区旧奏楽堂『木曜コンサート』にも二度にわたって出演し、指揮者を務めた。藝大フィルハーモニアによる学内演奏会では、ラヴェル「ダフニスとクロエ第二組曲」を指揮し、小林研一郎氏に『オーケストラから素晴らしい響きを見事に引き出した』と絶賛される。杉木峯夫氏(東京藝術大学名誉教授、紀尾井シンフォニエッタ東京アドバイザー)の推薦により、大学等地域開放特別事業『吹奏楽を楽しむ』演奏会の指揮者を務め、練習風景からのその模様は、NHKラジオ、新聞、CATV、雑誌などのメディアを通じて報じられている。
早川和子氏の新作オペラ「師門物語」で指揮者に抜擢されデビュー。2003年、秋篠宮妃殿下、内親王殿下ご臨席のオーケストラ演奏会で指揮者を務めた。
2004年度、東京芸術大学音楽学部非常勤講師。別府アルゲリッチ音楽祭「子供のための無料コンサート」に出演。藝大シンフォニカ英国公演にも同行した。岐阜県指定有形民俗文化財「かしも明治座」にて行われた公演で東京芸大の教授陣と共演し、その模様は読売新聞日曜版のトップ記事に掲載された。また附属高校オーケストラの指導でも認められ、2005年度には同大音楽学部附属音楽高校非常勤講師を務め、定期演奏会でストラヴィンスキー「火の鳥」などを指揮し、大成功をおさめた。
広島交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団、東京佼成ウインドオーケストラ、ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉などをはじめ、各地の演奏団体に多数招かれており、その活動は各方面で好評を博している。千葉市音楽協会会員。

LudovitKanta・ルドヴィート・カンタ (チェリスト)
スロヴァキア共和国の首都ブラティスラヴァ生まれ。スロヴァキアを代表するチェリストとして国民に親しまれている。
ブラティスラヴァ音楽院にて、G.ヴェチェルニー教授に、プラハ音楽アカデミーにて、元チェコ・トリオのS.ヴェチトモフ教授に師事。アカデミー在学中にスロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団の第1ソロ・チェリストに就任。1990年より、オーケストラ・アンサンブル金沢の首席チェロ奏者を務めている。
ハラデッツ=オパヴァ・ベートーヴェンコンクールで優勝。プラハの春国際音楽コンクールで銀賞と同時に、審査員全員一致で、栄えあるチェコ・スロヴァキア文化庁特別賞を受賞。その他、チャイコフスキーコンクールなど数々のコンクールで上位入賞を果たしている。
ヨーロッパをはじめ、カナダ、アメリカ、アジア、日本でソリストとして、岩城宏之、イリー・ヴィエロフラーヴェク、ズデニェク・コシュラー、ヴァレリー・ゲルギエフらの指揮で、オーケストラ・アンサンブル金沢、NHK交響楽団、スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団、プラハ交響楽団などと共演、好評を博す。2003年、2005年のスロヴァキア・フィル日本ツアー公演ではドヴォルザークのチェロ協奏曲を共演し、各地で絶賛される。
また、カナダ、ヨーロッパ、日本各地で国際音楽祭やマスター・クラスの講師として招かれるほか、後進の指導にも熱心にまた積極的に取り組んでいる。
CD録音も数多く、OPUS、NAXOS、AEOLUS、TRITONおよびPACMでリリースし、好評を得ている。なかでも“ハイドン・ボッケリーニ:チェロ協奏曲”(NAXOS)は、ジャズ調のカデンツァで人気が高い。来日後、多くのソロCDをリリースし、レコード芸術誌では高い評価を得ている。中でも、“コダーイ、カサド、イザイ:無伴奏チェロ作品集”、“メロディーズ”(avex)、“バッハ:無伴奏チェロ組曲全集”(PANU)は、レコード芸術誌で特選盤に選ばれている。
2010年、「岩城宏之音楽賞」を受賞、11年6月には来日20周年を記念しての「夢の協奏曲公演」で、マルティヌーのチェロ協奏曲2番を日本初演、またドヴォルザークの協奏曲も同時に演奏し、大絶賛を得る。2012年6月、音楽とその人となりから沢山の友人を作り、東日本大震災の後も何度か被災地を訪れ被災地の方々を励ましたことに対し、在日スロヴァキア人として初めてスロヴァキア外務省より大統領立ち会いのもと「GOLDEN PLAQUE」を授与された。
バッハの無伴奏チェロ組曲全曲やベートーヴェンのチェロ・ソナタ全曲を一度に演奏、またチェロを演奏して50年の記念に15年8月、立山頂上3003mの雄山神社にて奉納演奏うなど、常に様々な可能性と自己の向上に挑戦している。その内面から溢れ出る品格と音楽性は、聴く人を魅了する。今もっとも注目を集めているチェリストである。